なぜ、日本のわれわれの多くは、家族が老人を介護しなければならないと感じてきたのか。 かつて〈家〉で老人を介護していたスウェーデンの人びとが、社会や国家に老人介護を要求できると考えるようになった奥底には、どのような論理や感情があるのか。 「本来、介護は身内がすべきで福祉のお世話になるべきではない。身内の介護の手助けを他人(社会や国家)には要求すべきではない」という意識は依然として日本に残っている。 自分と縁のある老人だけが尊いというのが現代日本の一般的な考え方だろう。これに対し、人格崇拝は自分と縁がなくてもすべての老人が尊いのだとする。 スウェーデンでは墓は親族が集合する場所として機能していない。生前につきあいがあった死者、亡くなってほどない死者など、愛着の感情がある死者の墓にだけ定期的に訪れる。 図録▽老親の世話は誰がすべきか(国際比較) http://t.co/9mTQqqPHBz 図録