今週のお題が「人生に影響を与えた1冊」ということで迷わず遠藤周作の本を紹介します。 一番好きな作家です。 中でも、忘れられないのがこの本です。 「女の一生 一部・キクの場合」遠藤周作著 新潮文庫 明治初期の長崎が舞台の話です。キリシタンの少年清吉と少女キクが出会い、親しくなりかけたところでキリシタン弾圧に遭い、強制連行されてしまいます。キクは清吉からもらったロザリオに向かって「マリア様、私はあんたが大っ嫌い」「神様なんていない。清吉を返せ」と恨んで祈ります。 ロザリオのマリア以外にぶつけようのない怒りと悲しみを吐きだすシーンは、涙が止まりませんでした。 この本があまりにも感動的で、中学時代に思わず締め切りギリギリで読書感想文のコンクールに出しました。そうしたら思いがけず最優秀賞をいただく光栄にあずかった、という意味でも思い出深いです。 でも、賞のことよりも何よりも、遠藤周作の本を通して信仰