岸田文雄首相の所信表明演説でも経済政策の柱の1つとして挙げられたリスキリング。企業内で知識やスキルに関する職業能力の再開発を行うという概念だ。個人のリスキリングに対する公的支援として「5年間で1兆円」のパッケージに拡充する、という方針を打ち出して一躍、注目されることになった。 リスキリングの動きは、こうした動きに先んじて各所ですでに進んでいる。どのようなあり方が学び直しに有効なのか。2つの事例を通して考えてみたい。 オンライン学習が変えるリスキリングへの取り組み 鳥取県では、2021年8月からリスキリング事業を進めている。その主役になっているのはオンライン学習である。 「従来、行政としては職業訓練という形でスキルアップを支援してきました」 鳥取県商工労働部産業人材課の田中拓也さんが説明する。「しかし、コロナの影響で、対面型の研修が難しくなりました。ただ一方で、オンラインが身近なものになり、