▼広瀬隆『赤い楯』の衝撃 バブル崩壊期に「国際陰謀論」が流行った。あれもこれもすべて「ユダヤ人の陰謀」というのが多かったが、私は結構この手の本を読んでいた。もしかしたら、世界の秘密が書かれてあるような気がして。しかし結局のところ、眉つばとの感じは拭えなかった。 ところがそこに、衝撃の本が登場した。広瀬隆氏の『赤い楯』(集英社刊、現在文庫化)である。欧米の人名・紳士録を徹底的に渉猟して隠された家系図を復元し、集団陰謀の系譜を白日の下に晒した労作であった。「赤い楯」とはロスチャイルド家のことである。 この本によれば、世界は西欧の特定集団(婚姻によって結びついたエリートたちの親戚群)によって収奪されてきた(そしていまも!)。特定集団とはロスチャイルド家ではない。ユダヤ人でもない。ロスチャイルド家を含めた国際エリート集団、英国女王エリザベス2世も含んだエスタブリッシュメントたちがそれである(この本