2003年のテレビ番組で人気に火がつき、10年もの間「スターマジシャン」として一世を風靡(ふうび)したセロ。俳優の木村拓哉さんにものまねされるほどの人気で、多くの人に強い印象を残した。ところが、2014年を最後にテレビから姿を消す。高視聴率が求められるテレビ業界で新しいマジックを次から次へと求められたあげくに燃え尽き、マジックへのモチベーションを失ってしまったのだ。それから10年近く。コロナ禍で失った活動の場を取り戻しつつあるセロがいま思うのは、自らの存在意義とレガシーについてだ。その真意を聞いた。 ●あっという間にスターマジシャンに セロが初めてテレビに出演したのは、2003年のスペシャル番組。待ち望んでいたチャンスだった。「この2時間に当時の持ちネタを全て詰め込んで、これ以上見せるマジックがないというほど出し切った。そうしたら放送翌日にプロデューサーから電話があって、『視聴率がとても良
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