父はインフラ勤め、母は専業主婦の普通の家庭に生まれた。両親はふたりとも高卒で20代後半で結婚してわたしが生まれた。 小学生の途中で、父はローンで家を買い、社宅から出た。 住まいは社宅から一軒家になり、リビングのある1階と寝室のある2階の家になった。 父は酒を飲み、タバコを吸う男だった。そして母は一滴も酒が飲めなかった。 父は暴力は振るうことは一度もなかったが、酒を飲むと、少し語気が荒くなった。母はそれを毎日避難し、毎日2階に逃げた。 子供の頃のわたしは、母を2階に呼びに行かなくてはならなかった。 母は常にわたしに、年をとったらわたしが母を介護するのだと毎日言い聞かせた。 子供であるわたしは、毎日父の不満しか口にしない母に媚び、慰めないといけなかった。 そしてたまに1階でわたしは父が酒を飲んでこぼす母への愚痴を聞いてあげないといけないのだ。 わたしは2階の自室で部屋のベッドで小さくなりながら