スタジアム上空は、激しい風が渦巻いていた。 9月17日、台風16号が九州北部を通過していたこの日、岡山のkankoスタジアム(カンスタ)では、J2リーグ第34節、ファジアーノ岡山対湘南ベルマーレの試合が行われようとしていた。試合前、「カンコー学生服」と書かれた看板の前で、岡山のマスコットであるファジ丸と岡山のファンが、強風にあおられながら記念撮影をしていた。カンスタのネーミングライツを取得しているのは、「カンコー学生服」でおなじみの尾崎商事である。岡山にはほかにトンボ学生服、ヨット学生服といったブランドがあり、学生服の全国シェアの8割を占めるという。 「学生服のシェア、ナンバーワン」を誇り、温暖な気候から「晴れの国」とも呼ばれる岡山は、しかし最近までメジャースポーツの空白地帯であった。それでも09年、ファジアーノ岡山が晴れてJクラブとなってから、状況は次第に変わりつつある。J2初年度の