地下鉄建設を計画している川崎市が、新たなリチウムイオン電池車両の実用化に向け、研究を進めることを決めた。鉄道や電気自動車の専門家によるプロジェクトチームを今月にも立ち上げ、2015年度着工を目指す。 阿部孝夫市長は「環境により良い地下鉄技術を世界に発信したい」と意気込むが、新車両の開発費や大容量の電池の性能、コストなど課題は山積。“夢”の実現にハードルは高い。 ◆期待の「エリーカ」 地下鉄計画は、市北部の小田急線新百合ケ丘駅と、中部の東急東横線とJR南武線が交わる武蔵小杉駅の17キロを結び、最終的に南部の川崎駅まで延伸する構想。 阿部市長が目玉と考えているのが、慶応大が企業と共同で開発した高性能電気自動車「Eliica(エリーカ)」の技術の応用。エリーカはリチウムイオン電池を搭載し、最高時速370キロを記録した。8本のタイヤのホイール部分にそれぞれモーターを内蔵、エネルギーロスを少