ブラシレスDCモーターの回転磁界をつくる ホール素子が磁石の位置(N極かS極か)を検知して、半導体素子(MOSトランジスタ)をON/OFFさせ、必要なコイルに電流を流す(駆動する)ことで、回転磁界を作っている。モーターを高効率に回すために、駆動すべきタイミングとコイル相は、誘起電圧の状態で決定する。 誘起電圧とは、電流を流しているコイルに磁石が通過(回転)すると、電力(電圧・電流)が発生する電磁誘導作用である。いわば前回に説明した、コイルに電流を流すと磁界が発生する作用の反作用的な現象である(図3)。ここで、磁石の移動速度を速くすると、コイル端には、より大きな誘起電圧が発生する。誘起電圧はコイルを通過する磁石の磁束変化率に比例するからである。 この誘起電圧は、発生トルク、モーターの速度、効率を決定する重要な要素だ。モーターにとって重要なキーワードであり、“誘起電圧を制するものは、モーターを