「新しい日本」の政策課題 鳩山由紀夫首相は、組閣直後の国連気候変動サミットで演説し、日本は2020年までに温室効果ガスの1990年比25%削減を目指すことを表明した。この25%演説は、国際的に称賛された半面、国内では戸惑いが広がっており、評判が悪い。新首相が国益を犠牲にして国際的な受けを狙っただけ、という意見まである。だがこの種の見方には、政権交代という事の重大さと、温暖化問題の双方について誤解がある。 鳩山首相は、さらに国連総会の一般演説で、「新しい日本」が誕生したことを宣言して、新政府が掲げる外交課題を5つあげた。世界経済危機への対処、地球温暖化、核軍縮、貧困への援助、東アジア共同体の構築、がそれである。その冒頭でこう述べている。「第二次大戦後、日本は選挙を介した政権交代を経験したことがなかった。そして政治家と官僚との間の緊張感は無くなってしまった。その結果、日本の対外政策はバイタリテ