タグ

ブックマーク / kasasora.hatenablog.com (5)

  • そうそう、戸籍の附票とかあれこれロックしたのよ - 傘をひらいて、空を

    わたしには長年のストーカーがいるじゃない? 生物学上戸籍上の母親ね。そう、わたしが断絶を宣言して、賃貸の緊急連絡先から何からぜんぶ赤の他人にして行方をくらまして、そしたら母親が戸籍の附票とりまくって引っ越したら秒で手紙出したりマンションの前で待ち伏せしてたりした、あれ。仕事の都合もあって引っ越し八回したけど、まだ来るからね。いやあもう長いよ、二十年以上毎月とかの頻度でせっせと附票取ってるわけ。シンプルに奇行。 わたしは、どうあってもインターネットに名前と職場が公開される仕事をしているからさ、押しかけ先はぜったいわかるのよ。だから戸籍の附票やら何やらはロックしてなかったんだけどね。 うん、制度上はかけられる。そうそうDV等支援措置ってやつ。二十年前にできたんだけど、当時から「どうせ職場はばれるし」と思ってた。若いころは職場でそんなに力もなくて、職場にストーカーが来てポジションがあやうくなるく

    そうそう、戸籍の附票とかあれこれロックしたのよ - 傘をひらいて、空を
    roirrawedoc
    roirrawedoc 2023/12/05
    初めてこの人の核を見た気がする / 前に書いてたのかも知れないけど
  • 友だちがいない - 傘をひらいて、空を

    自宅で映画を観る。 映画のディスクは来客が持ってきたものである。この人は昔からとにかく映画が好きで、ときどき気分転換をするために、わたしがひとりで過ごす夜をねらってやってくるのである。映画は国籍も主題もばらばらだが、とにかく孤独な人が出てくる。 わたしたちはそのような登場人物を、なぜだかひどく理解できる。登場人物は、たとえば住宅地で便利屋をやっているアメリカ人であったり、財閥を率いる大富豪のフランス人であったり、韓国の地方都市にわけありげに赴任してきた刑事であったりする。年齢も性別も性格もばらばらだ。しかし彼らには共通のさみしさの芯のようなものがあり、どうやっても拭えないある種のみじめさがある。それがわたしたちの身体に呼応する。そのようにしてわたしたちはしみじみとそれらの映画を鑑賞する。 友だちがいないんだ、と彼女は言った。ほんとうに孤独なんだ。わたしにはよくわかる。あなたにもわかるでしょ

    友だちがいない - 傘をひらいて、空を
  • 恨みの要件 - 傘をひらいて、空を

    疫病が流行しているのでよぶんな外出を控えるようにという通達が出された。何度か出された通達が「いくらなんでももういいだろう」という感じで止まり、いわゆる行動制限が解除されたのがつい最近のことである。 疫病自体はぜんぜんおさまっていないので、相変わらずワクチンを打ったりマスクをしたりはしている。疫病以降に知り合った人とはじめて事に行くと、「こんな顔で笑うんだ」と思う。顔の下半分を出さずに過ごしていたのだから、そりゃあそうだろう。口というのは表情のけっこうな割合を占めるものなのだ。 そのようにしてはじめて顔を見た職場の若い人が、ぽつりと訊くのである。人を恨んだことってありますか。自分をすごくひどい目に遭わせた相手への感情に、どう折り合いをつけたらいいと思いますか。 わたしが生まれ育った家庭は悲惨なところで、職場の人間もそれを知っている。検索すれば名と職場が出てくるたぐいの仕事をしているために

    恨みの要件 - 傘をひらいて、空を
    roirrawedoc
    roirrawedoc 2023/02/28
    “若者は少し目を泳がせ、言った。愛してなかったから、恨まなかったんですね。” ほう…
  • あの女の恋愛感情を利用していい生活をしてやろう - 傘をひらいて、空を

    疫病が流行しているのでよぶんな外出を控えるようにという通達が出された。それがきっかけで僕と彼女は一緒に暮らし始めたのだけれど、この生活が気に入りすぎて疫病の流行が終わってもやめたくない。 つきあって三ヶ月という、恋愛的にいちばん盛り上がっているタイミングで同居したから、すぐ破綻してもおかしくないと思っていた。なにしろ僕はすぐ飽きちゃうのだ。女の子と半年以上つきあったことがない。 僕の個人的な感覚では、同じ相手とのセックスは三回目から十回目がピークで、あとはまああってもなくてもという感じだし、恋愛的な様式としてのデートについては「女の子のドリームを読み取ってサービスするのめんどくせえな」と思う。だから自分は長期的な関係に向いてないのかなあ、なんて思っていたのだけれど、好きな人と生活を共にしてみたら継続したくなったので、向いてなかったのは長期的な関係というより長期的な「恋愛」関係だったみたいだ

    あの女の恋愛感情を利用していい生活をしてやろう - 傘をひらいて、空を
  • セフレですよ、不倫ですよ、ねえ、最低でしょ - 傘をひらいて、空を

    仕事の都合で別の業種の女性と幾度か会った。弊社の人間が、と彼女は言った。弊社の人間が幾人かマキノさんをお呼びしたいというので、飲み会にいらしてください。 私は出かけていった。私は知らない人にかこまれるのが嫌いではない。知らない人は意味のわからないことをするのでその意味を考えると少し楽しいし、「世の中にはいろいろな人がいる」と思うとなんだか安心する。たいていはその場かぎりだから気も楽だし。 彼らは声と身振りが大きく、話しぶりが流暢で、たいそう親しい者同士みたいな雰囲気を醸し出していた。私を連れてきた女性はあっというまにその場にすっぽりはまりこんだ。私は感心した。彼女は私とふたりのときには同僚たちに対していささかの冷淡さを感じさせる話しかたをしていた。 どちらがほんとうということもあるまい。さっとなじんで、ぱっと出る。そういうことができるのである。人に向ける顔にバリエーションがあるのだ。私は自

    セフレですよ、不倫ですよ、ねえ、最低でしょ - 傘をひらいて、空を
    roirrawedoc
    roirrawedoc 2019/09/18
    女は男の性欲を知らないから自分自身に置き換えて、本当に欲しいのは承認欲求や権力なのだって結論付けたがるよね。真実を見抜いた気になって。違うよ。純然たる性欲だよ。ただただ沢山の女とやりたいだけだよ。
  • 1