世界有数の温泉数や湧出(ゆうしゅつ)量を誇る温泉大国日本。寒さが増すこれからの季節は、癒やしを求めて温泉地を訪れる人も多い。硫黄や硫酸など多様な泉質を持つ温泉は、どれだけ健康に影響があるのだろうか。【関東晋慈】 温泉のもととなる地下水には、土や岩石からいろいろな物質が溶け込んでいる。環境省によると、温泉と呼ばれる条件は温泉法で定められている。水温が25度以上▽硫黄やラドンなど19種類の物質のうちどれか一つを基準以上含む--のどちらかの条件を満たしているものだ。水温が低く25度未満のものは「冷泉」と呼ばれる。 国内の温泉地は約3000カ所、源泉数は約2万8000カ所に上る(08年度末現在)。温かい湯につかるだけでも、新陳代謝が促されて疲労回復が図れるほか、水圧の影響で心臓が圧迫され、血行もよくなるとされる。 国の鉱泉分析法指針は、温泉の基準を満たし、さらに療養効果が期待される温泉を「療養泉」