スロベニアの思想家スラヴォイ・ジジェクはヨーロッパを代表する知識人の一人です。ラカンの精神分析を適用した文化評論で知られ、50冊以上の著作があります。1990年には旧ユーゴ諸国で最初の自由選挙で大統領候補として出馬しました。今年春にニューヨークで「"68年"より40年、われわれはどこにきたのか?」という講演を行った折に、デモクラシー・ナウ!のスタジオを訪れました。 1968年の「プラハの春」について、ソ連の軍事介入は、実は天恵だったかもしれない、とジジェクは冷めた評価を下します。介入さえなければ本物の「民主的な社会主義」が開花したはずだと信じ、幻滅せずにすんだからです。ソ連の介入がなければ、改革は成功していたのか? チェコ国内でさまざまなイデオロギーが噴出し、いずれは資本主義陣営に加わるか、あるいは自ら改革をストップさせて混乱を収拾せざるをえなかったのではないのか?中国の天安門事件にも同じ