日朝交渉阻む原因 早期解決を 「熊本県朝鮮会館問題を考える市民の会」の永好和夫さんが先頃発表した論文「横田めぐみさんの遺骨問題における科学的考察と今後の課題」の詳細を、今号から5回にわけて紹介する。 1、はじめに 本稿は、日本人読者にこの問題を正しく理解してほしいとの意図から執筆したものであることを断っておきたい。 近年、朝米関係が6者会談、朝米2カ国協議を通して、対立、緊張から共存、平和へと向かっている。 平和条約を通して朝鮮戦争を終結させ、朝米国交正常化へと向かう動きは、朝鮮半島の南北の統一を促し東北アジアの国々の平和と友好にとって誠に好ましいことである。 一方、日朝関係は「拉致問題」で膠着し、6者会談の日朝作業部会、日朝2カ国協議でも一向に折り合いがつかず、日朝国交正常化への展望は開かれず、現在も鋭い対立状態にある。 その最大の根源は、朝鮮民主主義人民共和国(以下『共和国』と記す)