先ほど、安倍首相が衆議院の解散を表明した。大義の有無や争点の所在がネットでも話題になっているが、政治に緊張感を取り戻すことができるかが問われているように感じる。 2010年代の政治に共通していたのは、「緊張感の欠落」だった。 2009年の政権交代で大勝した民主党は、実現可能性に乏しい、百花繚乱のマニフェストを具体化すべく右往左往した。2010年の参院選直前に、不用意に消費増税の話題に言及して、「ねじれ国会」を生み出し主導権を失ったり、その状態のまま、誰も経験したことのない未曾有の東日本大震災を経験してしまったことである。むろん、複数の不運が重なったともいえる。平時の政権運営に習熟しないままに、有事を迎えてしまったため、過剰にマイナス評価を受けてしまった可能性は否定できない。とはいえ、その政権運営は、有権者から見れば、やはり緊張感を欠いていたといわざるをえないこともまた事実である。 他方、2