データセンターは普通のビルと何がどう違うのか。どんなサービスを提供し,どんな仕組みを備えているのか。その全体像を一望する。 関連サイト:
ラックに収容したサーバー機は高い熱を発するだけに,データセンターは,冷えた空気を供給し熱排気を外に出す空調設備を備えている。従来は,空調機の配管を床下に通し,ラック底面の穴から冷気を送り込むタイプが多かった。最近は,「ホット・アイル/コールド・アイル方式」と呼ばれる空調方式が主流になっている。 従来方式 従来は,空調機の冷気を,床下を通じてラックの底面から送り込み,上面から熱排気を逃がした上で,空調機上面の吸気口で吸い込む方式が主流だった。この方式は十分に実用的だが,難点を挙げると,ラックの下にあるサーバー機はよく冷えるが,ラック上部に設置したサーバー機ほど冷え方が弱くなる。 ホット・アイル/ コールド・アイル方式 ホット・アイル/ コールド・アイル方式ではその名の通り,ラック列の前面同士,後面同士を向かい合わせて並べることで,熱排気がたまる温かい通路(ホット・アイル)と冷気の通路(コール
データセンターの災害対策として共通するのは,地震対策と火災対策である。地震対策は,建物,床,ラックという三つのポイントに対して,免震,制震,耐震のいずれかが講じられる。一方,火災対策については,多くのデータセンターが,水のような液体ではなくハロンや窒素などの消火ガスを使った消火設備を備えている。また,わずかな煙も感知する高感度煙感知器を備えるデータセンターもある。 地震対策(i):建物 データセンターの建物は一般に,ゴムやダンパーを使った基礎によって揺れを抑える「免震」,ダンパー入りの筋交いや重りなどによって揺れを減衰させる「制震」,しなやかさもしくは頑丈さを高めて揺れによって損壊しないようにする「耐震」のいずれかの対策が講じられている。最も効果が高いのは免震で,震度7相当の揺れに耐えられるデータセンターもある。 地震対策(ii):床,ラック 床とラックは通常,ボルトなどで頑丈に固定するこ
データセンターのネットワークと電源の概要は,下記の図のようになる。まずインターネットと接続するネットワークは,コア・ルーター,集約スイッチ,フロア・スイッチを経て,各ラックに引き回される。これとは別に専用線を引き込み,ラックまで通すこともできる。ネットワーク機器やケーブルはすべて冗長構成にして信頼性を高めている。
データセンターでは,セキュリティ向上のため,厳密な入退場管理を行っている。建物内部をセキュリティ・レベルでゾーン分けした上でゲートを設け,ICカードや生体認証などによる個人認証を行って行動範囲を制限する。さらに,サークル・ゲートや前室で共連れを防いだり,各所に設置したカメラでオペレータが利用者の行動を監視したりするデータセンターもある。 (1)生体認証装置(またはIC カード) データセンター内の各ゲートでは,必ずIC カードなどによる個人認証を行い,あらかじめ入場許可の登録がされているかどうかを確認する。入場口や監視室入口などでの要所には,3次元顔画像(写真左)や掌形(同右)などの高度な生体認証装置を設置しているケースも少なくない。 (2)サークル・ゲート サークル・ゲートには1 人ずつ入り,個人認証で入場が許可されると,入ったときと反対側の出口が開く仕組み。これにより,許可されていない
データセンターでは比較的安価に,一般的なオフィスビルより信頼性の高い環境でサーバー機を運用できる。この利点によってデータセンターの需要が高まっている。IDCジャパンの調査によれば,2007年に2979億円だったデータセンターの市場は,2012年には5125億円に達する見込みという。 では,データセンターはどんなサービスを提供しているのか。どんな設備によって構成されているのか。ITエンジニアとしては,そうしたデータセンターの基本を知っておきたい。 まずデータセンターの最も基本的なサービスは,大きく二つある(図1)。一つは,利用企業がサーバー機やネットワーク機器を持ち込んで使う「ハウジング」。いわばラック貸しで,「コロケーション」とも呼ばれる。もう一つは,データセンターが用意したサーバー機を借りる「ホスティング」である。このサービスを「レンタル・サーバー」と呼ぶデータセンターもある。 さらに細
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く