クラウドサービスやデータセンターを利用すると、企業ネットワークはLAN中心だったものからWANを前提としたものに変わる。ところがWANを使うと、ネットワークの遅延が増大し、システムの応答性能も大幅に低下する。日経NETWORK2010年3月号(2月28日発行)の特集「クラウド時代のネット遅延解消法」では、この影響を低減するための数々の方策を紹介している。 特集の取材の中で興味深い話を聞いた。WAN高速化装置ベンダーである米リバーベッドテクノロジーがユーザー企業と協力して、米アマゾン・ウェブ・サービシズのクラウドサービスであるAmazon EC2との通信を高速化する実験を行っているというのだ。このユーザー企業は、誰もが知っている大手の飲料メーカーや製薬メーカーである。 WAN高速化装置とはネットワーク機器の一つで、WANでつないだ各拠点に設置し装置間の通信を高速化する。データキャッシュやTC