海外の人が日本の文化を理解するためにまず読む本、と聞いたことがあるが、恥ずかしながら実際に読んだことはなかった。 難解な文章ではないが、70頁ほどのボリュームで日本や東洋の文化について述べているため、ある程度予備知識がないと読み流してしまう。副読本としてNHK「100分で名著」のテキストを並行して読むのがおすすめである。 本書は、茶の湯に代表される日本・東洋の文化が西洋文化に劣るものではないが、西洋人はそれを理解していないことへの苦言から始まり、中国から始まった茶の諸流が時代を経て変化し、日本において思想の到達を見ること、茶の湯の思想の元となる老荘思想や道教、禅の思想の紹介、茶室、(茶)花、設えや茶人の生き方における茶の湯の精神など、多岐にわたる内容が述べられている。 著者の岡倉天心は江戸末期の生まれで、文部官僚として古社寺調査に加わり、現東京芸大の初代学長や帝国博物館理事に就くなど、文化
![『茶の本 (岩波文庫 青 115-1)』(岡倉覚三)の感想(161レビュー) - ブクログ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d5367f2f604e3f6457a22f913dbb941247c2a42b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fm.media-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51Vui-zya-L._SL500_.jpg)