アウシュビッツという過酷な状況の中で生死を分けたものが決して丈夫な身体ではなく、未来に対しての希望を持ち得ているか否か、今の状況を意味あるものとして転換できる精神性の高さにあるという考察は驚かされる。 アドラー心理学では「意味づけ」という見方があったが、フランクルの心理学では、この「意味」を別の観点から扱っている。 私の解釈では、人生の意味は問うことのできるものではなく、人生の方から問われるものである。それはすなわちその都度、状況から発せられる「問い」に耳を傾け、そこに潜む「意味と使命」を発見し、それに応えていくということである。それをフランクルは「ロゴセラピー」という概念として表現した理解した。 読後は、こうありたいと思った。 置かれた状況で、常に、人生から与えられた意味と使命を考え、それに応えていく努力をする姿勢を持ちたい、と。