被害を受けた多くの住宅はこうした河川の流域にあった。日本は古来、自然災害の多い国である。国土が狭く急峻な山地が多いために、河川が短く急流であることが原因だ。こうした国土に住むということは、つねに台風や地震といった自然災害と戦い続けなければならないことを意味する。 東京には107もの河川が存在する 東京のブランド住宅地のほとんどは高台にある。古くからのブランド住宅地は武蔵野台地と呼ばれる江戸城(現在の皇居)の西側に形成された。現在の番町、麹町から四谷、牛込付近がその代表だ。また外様大名の多くが武家屋敷を構えた本郷、小石川、麻布、六本木、青山などでは、邸宅の多くが地盤の良い高台に位置していた。 東京は河川が多く、現在、一級河川として多摩川水系、利根川水系、荒川水系、鶴見川水系という4つの水系がある。この水系を中心に92の一級河川が展開し、これに二級河川を含めると都内にはなんと107もの河川が存