1 概要 2 はじめに 3 コラムの主題は何か 4 ハラリの『ホモ・デウス』は何を言っているのか 5 アセモグルの研究とは 6 AIは最小二乗法なのか 補足: もう少し形式的な説明 7 主張はどこまで正しくて, どこまで誤りなのか 8 結論 参考文献 1 概要タイトルは釣りではない. しかし人工知能 (AI) や最小二乗法の話は全体の3分の1未満である. 「AI進化の果ての時代に経済学者は何を語るか」みたいなタイトルにしたほうがリーチが良さそうだが, 私はそんな壮大な問題を語ることはできない. 2019/2/18付の日本経済新聞に掲載された小林慶一郎氏の『AIと超人類の時代 弱者がもつ強み』というコラムが twitter で大きな反響を呼んでいたが, そのコラム全体の趣旨について考察されているものが見られなかった*1. Twitter の話題は3日経てば忘れられる傾向にあるので今更感がある