「人生100年時代」とも言われるいま、旧来の高齢者像や人生設計を見直す「年齢解放運動」が、オーストラリアで盛り上がっている。年齢のステレオタイプにとらわれず、新しい挑戦を続けることで、より豊かな人生を送ろうとする人たちを英紙が取材した。 オーストラリア在住のアン・ヤングは、人生の節目となる70歳の誕生日に何がほしいかと尋ねられたとき、迷わず「ウェットスーツ」と答えた。ケガのリハビリのため、数ヵ月前に水泳を始めたのだ。 「本当に?」と聞き返されたが、メルボルンの海で毎週泳ぐ習慣を欠かすつもりはなかった。 ところが、新しいウェットスーツ持参で泳ぎに行ったヤングは、思わぬところで助けを求める羽目になる。ウェットスーツのファスナーを自分で閉められず、ビーチにいた見知らぬ男性が手助けをしてくれたのだ。ヤングは身を乗り出して笑いながら言う。 「70歳になっても、男性に脱がされる機会はあるの!」 家族に