今回は「新日本プロレスの異世界ラノベ」を上梓した「医師」で「ラノベ作家」というツッコミどころしかない現象を解説すべく、津田さんにインタビューを行った。29歳まで執筆経験はなかったという著者が、「小説家になろう(通称:なろう)」を通じてどのようにラノベ作家になるのか、陸上少年がどうしてラノベの道に進んだのかをお聞きした。そのヒストリーはまさに2010年代のラノベ史を代表しており、現在の異世界系や異世界大喜利系がどのように生まれたのかを解き明かす壮大なインタビューとなった。 ■ブシロードとプロレスの異世界転生ラノベ、好きなことだけを詰め込んだ作品 ――:自己紹介からお願いいたします。 津田彷徨(つだ ほうこう)と申します。1983年生まれで兵庫県出身、医師をしながらラノベ作家をしております。作品としては『やる気なし英雄譚』(2014~)や『高度に発達した医学は魔法と区別がつかない』(2022~