シグマから70mm F2.8のマクロレンズが発表された。Artラインとしては初となるマクロレンズだ。シグマのサイトを見ると、「カミソリマクロ」の文字が踊る。「あの伝説の」ともある。2006年に出た「MACRO 70mm F2.8 EX DG」のことだ。恐ろしくシャープな写りをすることからこのあだ名がついた。今回のレンズは、メーカー公認の「その再来」というわけだ。 シグマというのは、マクロレンズに情熱を捧げて来たメーカーとも言える。私の数え間違いでなければ、シグマは本レンズを入れて過去に16本のマクロレンズを世に送り出して来た。マクロレンズという、存在自体は決して珍しくはないものの、使い方としてはかなり限定された部類に入るレンズを、だ。これを「情熱」と呼ばずして、何と表現する。 マクロレンズは小さなものを大きく撮影するためのレンズ。主たる使い方として、まず求められているのはそれだ。多芸である