(舛添 要一:国際政治学者) 新型コロナウイルスの感染が全国で急拡大し、とくに大阪では医療崩壊状態となっている。政府の分科会の尾身茂会長は、やっと第4波の到来を認めたが、菅義偉首相は、4月14日の参議院本会議で「現時点で、全国的な大きなうねりとまではなっていないと考えている」と答弁している。 この日の全国のコロナ感染者4312人であり、列島各地で感染が急拡大していることは確かであり、この答弁は適切ではない。因みに、翌15日には、4571人に増えている。答弁は、厚労官僚が書いたものであろうが、官邸の側近でチェックする機能が無ければ、このような無責任な言葉となってしまう。 私が厚労大臣のときも、不適切な答弁案が用意されることがあったが、国会開会前に点検し、修正させたものである。たとえば、予算委員会は朝9時に始まるが、7時から役人を集めて、答弁案を逐一チェックしたものである。当時の民主党所属だっ