「ビジネス書の約9割はゴーストライターが書いている」――。ある大手出版社の編集者が語った言葉だが、このことについて、他の編集者はどのように感じているのだろうか。キャリアの浅い、ある編集者はこう言った。 「ゴーストを使おうとも、ライター、著者、編集者と役割分担ができていれば問題はない」と。 しかし、この捉え方は実態をおさえていない、と私は思う。そこで今回の時事日想は、30代後半のフリーライター(男性)の苦しみを紹介したい。 彼は業界紙などで10年ほど働き、30代前半でフリーになった。昨年の年収は、520万円前後(税込)。そのうち250万円ほどがゴーストライターとして稼いだものだという。著者は、企業の経営者やコンサルタントが多い。 そして2008年の夏に、大きなトラブルが起きた。主要出版社の書籍編集者(副編集長)から「ビジネス書のゴーストライターをしてほしい」という依頼を受けた。著者は