「生きた化石」として知られるシーラカンスの全遺伝情報(ゲノム)の解読に、東工大と東大、国立遺伝学研究所の共同研究グループが成功した。 シーラカンスのゲノムの量は通常の魚よりはるかに多く、魚類と陸上動物の両方の遺伝子を持っていた。魚類が陸上へ進出した進化の謎を解く手がかりとして注目される。 研究グループは、アフリカのタンザニアで捕獲された稚魚のゲノムを解析した。その結果、ゲノムを構成する「塩基対」の数は27億あった。マグロやメダカなど平均的な魚類の約3倍あり、人(約30億塩基対)を含めた哺乳(ほにゅう)類とほぼ同じであることが判明した。また、個体同士の情報伝達に関係する遺伝子群を調べたところ、魚類と陸上動物に特有の遺伝子を両方とも持っていることがわかった。