「もう夏になるからナーべーラー(ヘチマ)棚作りで忙しいよ」。真喜屋ダム後方にある通称「キナバル」で、小さな体、腰にコルセットを巻いた姿で畑仕事に精を出す102歳のお年寄りがいる。沖縄県名護市真喜屋区の新崎康信さんで、四輪電動車で約20分かけて自宅から通う。「90歳まではシークヮーサーやタンカンなど3千坪を手入れしたが、最近は野菜にしている」と満面の笑みを浮かべる。 捕獲したハブは数知れず…「ハブをよく知る男」もビックリの思い出は? キナバルは康信さんの実家があった地域。稲嶺尋常高等小学校を卒業した。「家は貧乏で鉛筆も買えなかった。同級生から借りて勉強した」と話す。 17歳で徴兵検査を受けたが不合格に。「検査は甲種、乙種、丙(へい)種があってね。僕は小さいから丙種」と振り返る。徴兵は免れたが、家計を助けるため大阪へ働きに出て、海軍省の塩酸工場やあめ工場、煙突掃除などで働いた。「真心で働いたら