1、 はじめに:問題設定 【1】権力が問題になるというのはいかなる事態であるのだろうか? この問題を、家族療法における権力現象の処遇に着目することによって考えてみよう(1)。 はじめに注意しておいてほしいのは、権力に関するこのような問題設定が従来のそれに比べていくぶん位相を異にしているということだ。これまでにも権力現象が、社会学において最も重要な問題のひとつとして理論布置の一角を占めてきたことは言うまでもあるまい。けれどもそこでの問いはほとんどの場合「権力の本態」を問うもの、すなわち「権力とは何か? それはどのように作用し、どのような効果を持つものなのか?」といった形で問われるものであった。この問いに対する答えは、これまでの長い議論の歴史が示すようにさまざまであり得るが、いまのところそれらの間で決着がついているとはいいがたいし、決着がつきそうな見込みもない。むしろ(とりわけ80年代を通じて
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