くるり「ばらの花」PV(2001) 「ユリイカ」2003年6月号「特集:Jポップの詩学」所収の岡崎乾二郎インタビュー「音はニホンゴを断ちきれるか」より、くるり論を紹介。岡崎は、「学生たちと接していて感じる今の気分がよく出ている」曲の例として、今やくるりの代表曲の一つとなっている、7thシングル「ばらの花」(2001)を挙げる。 たとえば「ばらの花」という曲があって、ジンジャーエールを飲みかけのまま、宙づり状態でぼんやりした頭の主人公が旅に出て、女の子に恋の告白をしようとする、しかし実際には旅にも行かず告白もしない。打ち込みリズムでドライブをかけているから、車で運転しているときに聴いたりするとピッタリなのですが、しかし、実際にはどこにも行かない。バスには乗りおくれるし、近づいたと思っても遠ざかっていく。暗がりの中で君が見ていると感じたけれど、実は君も僕もいない。すべては飲みかけのジンジャーエ