■前回(目次+おびコピーの分析だけした)のつづき。 ■本書の特徴的な点は3つ。■①最近のテキスト類には、すくなくないものの、よこがき/「デスマス」調/脚注、という、およそ伝統的なスタイルをなぞらないかたちをとっている。■②訓よみを極力さけ、本文/脚注/参考文献の固有名詞中心に、表音主義の ふりがなが そえられている。■③テキストとしての前作にあたる『あたらしい自画像』同様、節の冒頭に、架空の登場人物(わかもの)ふたりによる、かけあい(ボケ・ツッコミ ほどの はっきりとしたものではない)が配され、節の末尾は、【結論●】といったシメが おかれている。 ■『あたらしい自画像』ほど くだけた感じはないが、極力やわらかな印象をねらったことは、「デスマス」調だけでなく、ところどころに 意識的に おちゃらけた記述がまぎれこまれせてある点でわかる。■たとえば、つぎのような箇所(p.97)。 アイ:横綱審議