ベツレヘムはエルサレムから南約9キロの小高い丘にある。新約聖書(ルカ福音書)によると、マリアは夫ヨセフに伴われ、この地でイエス・キリストを産み、布にくるんで飼い葉おけの中に寝かせた。現在はヨルダン川西岸のパレスチナ自治区の町である▲イエスが暮らしたのは今のイスラエル北部の町ナザレで、はりつけにされたのはエルサレムだった。中東のこの地域一帯は古くから「パレスチナ」と呼ばれ、ユダヤ・キリスト・イスラムの3教徒が、時に反目しながらも共存してきた▲そこへトランプ米大統領が新たな対立の火だねを作った。イスラエルの「首都エルサレム」を認定し、パレスチナの反発を招いた。イスラエルと自治区の境界は緊張し、投石と発砲の応酬でパレスチナ側に死傷者が続出している▲ベツレヘムのイエスの聖誕教会前はこの時期、きらびやかに飾られ、世界中から巡礼客や観光客が集う。パレスチナ住民の多数派であるイスラム教徒も繰り出し、宗教