「趣味は、ピアノと読書です」 この答え方では就職に不利だと断言するのは、著者の高橋さんが取材した就職コンサルタントのプロ。逆に内定を取りまくった女性の模範解答は、「登山」だという。「採用する側はおじさんたちです。おじさんの共感を得なくてはなりません」。 ピアノはひとりでやるものだから、協調性に乏しいと、とられがち。同じ楽器でも「チューバ」だと、元気にみんなで演奏しています、とプラスに働くのだそうだ。 同様に映画鑑賞は、×。しかし「趣味は映画館」とヒネリが加われば、○。そんなレクチャーを受けるところから始まるのが、ノンフィクション作家・高橋秀実さんの『趣味は何ですか?』だ。 婚活や合コンでも同様。「本当に大切なのは趣味が何かというより、趣味を通じて“働く自分”を描くこと。つまり趣味で、“自分を物語れるか”ということなんです」と、その道のプロの指導にブレはない。 日本中の「消印」を集めて30年