「自身の年収を93万ドル(約1億円)減額して7万ドル(約740万円)にする代わりに、3万ドル以下(約300万円)ほどだった社員の最低給与を7万ドルに引き上げる」。世間に「気が狂ったか」と思わせるようなこんな施策を5年前に実行した男が、米国シアトルにいる。クレジットカード決済代行会社「グラビティ・ペイメンツ」CEOダン・プライスだ。 直後は、賃金コストが手数料の引き上げにつながることを懸念した顧客が契約を解除するなどの危機にも見舞われたが、BBCによれば4年半後の2020年、会社規模は、処理金額で38億ドル(約4010億円)から100億ドル(約1兆553億円)になったという。 以下、プライスの肉声でその本心を探る。 給与引き上げから3年で顧客8割増 2015年、クレジットカード決済代行会社「グラビティ・ペイメンツ」は、従業員の最低給与を7万ドルに引き上げると発表した。CEOのダン・プライスは