返品するために小売店から集められ、山積みにされたカキナとホウレンソウ=東京都中央区の築地市場で2011年3月23日、津村豊和撮影 放射性物質による農産物汚染の問題は23日、新たに福島県産のキャベツやブロッコリー、茨城県産の原乳など幅広い品目が出荷停止と摂取制限(食べることを控えること)の対象に加わり、更に深刻化した。政府は他県にも農産物に含まれる放射性物質を検査するよう促しているが、今後の影響の広がりは予測できず、国産農産物全体への信頼感が損なわれる恐れも高まっている。【行友弥、井出晋平、小倉祥徳、太田圭介】 ◇農水省、供給不測は否定 新たに出荷停止・摂取制限の対象となったのは福島県産の野菜が中心だが、全国の出荷量に占める比率はブロッコリーで4.6%、キャベツで0.4%などと低い。このため、農林水産省は「直ちに供給不安は生じない」(生産局)としている。また、茨城県産パセリのシェアは19.4
全国で昨年、受粉用のミツバチが不足した問題を受け、農水省所管の独立行政法人「農研機構畜産草地研究所」(茨城県つくば市)と名古屋大のグループが調査結果をまとめた。元気なミツバチから複数のウイルスが見つかったほか、大量死には農薬の影響がうかがわれた。ミツバチに何が起きているのか--。【下桐実雅子】 ミツバチはハチミツ採集だけでなく、イチゴやナスなどの受粉を担い、果物や野菜の生産に欠かせない。農水省のまとめでは昨春、21都県で受粉用のミツバチ不足が報告された。ミツバチの価格も上昇し、巣箱ごと盗まれる被害も相次いだ。今回の調査は、元気なミツバチと、巣箱前で大量死したミツバチの双方を対象にした。 元気なミツバチでは、28都府県から集めた57群すべてから、特定のウイルスが見つかり、5種類のウイルスが検出された群も20あった。発症すればマヒで飛べずに死んだり、寿命が短くなるという。また別の336個体でハ
宮崎県で拡大する家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)。18日、牛、豚などの殺処分対象数が11万頭を超える異常事態になった。被害が最も集中している川南町の農家では、政府の対応の遅れや埋却場所が決まらないことに対する不満や怒りの声が上がっている。【小原擁、川上珠実】 同町川南で養豚業を営む山道義孝さん(61)は、昨年の全国農業コンクール(毎日新聞社など主催)で名誉賞を受賞するなど、地域の養豚業のリーダー的存在でもある。しかし、16日に感染疑いが判明し、5488頭の殺処分が決まった。 「防疫体制の徹底を行政に訴えてきた。しかし何の反応もなかった」と声を落とした。ようやく政府の対策チームが17日に発足したが「何で今ごろ……。せめて川南町だけで食い止めてほしかった。もっと早い対応はできなかったのか」と不満は尽きない。 山道さんは1969年に7頭の子豚の飼育から始めた。規模を拡大し、町内の生産農家と連携
◇国の防疫に問題--山内一也・東大名誉教授(ウイルス学)の話 今回の広がりは、ウイルス排出量が牛の100倍ある豚に感染したことが大きい。00年、宮崎で発生した例では牛だけで済み、ウイルス自体の広がる力も弱いなど幸運が重なった。国としての防疫体制も問題。ウイルスは人やモノについて移動する。米国や豪州は、入国者に対し数日内に家畜に触れたかを聞く。最近も韓国などで口蹄疫感染があったが日本でどれだけ水際対策が取られていたか疑問だ。 ◇対応見直し検討を--後藤義孝・宮崎大教授(家畜微生物学)の話 もともと口蹄疫のウイルスは感染力が強い上に、都農町や川南町のような大規模畜産地帯で発生したことが、今回感染が拡大した原因だろう。国や県の指示に忠実に対策が取られていると思うが、ウイルスの方が先に先にテリトリーを広げている印象を受け、大規模発生に対応し切れていない。マニュアルや体制の見直しを早急に検討しなけれ
黄色、薄茶色、クリーム色。午後の日差しはやわらかく、小瓶に収められた雑穀のやさしい色合いに心がくつろぐ。雑穀アドバイザー、田中雅子さん(48)は東京都内の自宅で料理教室を主宰する。「家族のためにおいしい食事を作りたい、友達と楽しく食事したいという人に試していただけたら、というだけなんです」【文・浜田和子、写真・山田茂雄】 ◇実はおかずにも 雑穀はひところブームになった。ブレンド雑穀を研いだ米に混ぜ、炊く。けれども、それ以上の利用法はなかなか広がらなかった。「でもね、実はとってもおかずに使いやすい食材なんです」 レンコンのきんぴらの味付け直前に、ゆでたモチキビをからませる。「調味料が少なくてすみ、カロリー控えめで夫に好評でした」。ハンバーグの種に黒米やアワ、タカキビを少し混ぜる。冷めても食感が損なわれずお弁当にもおすすめ。モチキビソースのさわやかな香り、ぷちっとした食感はサラダだけでなく肉料
絶対にリストラしないが年収は6割になるかも--。こう社員に告げるのは勇気がいるに違いない。40年前に米国から市場調査で来日したのがきっかけで、72年、ソフトウエア会社を設立し、年商200億円にまで育て上げた。その社員約800人に08年夏、そんなメールを送った。 週休3日など柔軟な働き方を提案する一方、社内で農業や洋裁を学ぶプロジェクトを始め、「自給自足が豊かな生活をもたらす」と呼びかける。09年11月には「『年収6割でも週休4日』という生き方」(小学館)を出版した。 終身雇用制を信奉するのは、独学した松下幸之助ら日本の「古き良き」経営学から。「お客さんを大事にするには、社員が会社を好きでなくてはだめ」と、独立・転職した社員の再入社も歓迎する寛容さを示し、米国発の大量生産・消費・廃棄型の経済システムを批判する。「エネルギーや環境問題を考えると、6割の経済規模に縮小する可能性がある。給料は守れ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く