主人公は菌が見える! 農大マンガ『もやしもん』が字だらけ、解説づくめであることについては、いずれ論じるかもしれないが、今日は9巻で書かれている食料自給率論争について。 常識を覆す爽快感としての自給率政策批判 食料自給率は低い、これを向上させねば、という議論は、ぼくが小学生のときからすでに「天ぷらそば」という「和食」が自給率20%なんだぜ、という例とともに喧伝されてきた。だから、自給率という考えやそれを向上させるという意識はすっかり国民に定着している。実際今度の参院選でマニフェストや公約に「自給率向上」の言葉や政策がない政党は「新党改革」くらいなものだ。 そういう「国民的常識」を覆すのは無上の爽快感がある。 覆された方も「これで今日から俺も情報強者!」と意気込みたくなること請け合いである。 主人公・沢木が出入りしている研究室の先輩院生・長谷川遙が、小坂なる学生の自給率研究にいちゃもんをつける