前回は、長年「ひきこもり」問題を追いかけてきたジャーナリストの池上正樹氏と、精神科医の斎藤環氏に「ひきこもり」界隈において女性が男性とくらべてなかなかスポットがあたってこなかった背景や、日本社会の根強く残る因習について語っていただきました。 そのうえで、現在行われている「ひきこもり」をめぐる支援の脆弱性や、そこから派生して問題となっている社会問題について指摘していただきます。 池上 最近、生活困窮者自立支援法の相談窓口ができました。そこに女性のひきこもり当事者が相談に行き、生活保護受給の相談をしたりすると、「水商売に行けばいい」などと説教されることもあると聞いています。 斎藤 相談員から、ですか。 池上 そうです、複数の方から聞いています。 斎藤 生活保護の現場の公務員について私は全然信用できる気がしない。昨年も、榎本クリニック事件というのがありました。このクリニックは大田区、江戸川区、港