「夢ゲー」というジャンルを勝手に提唱したい。『えりかとさとるの夢冒険』とか『ゼルダの伝説 夢をみる島』とか、なぜか夢を題材にしたゲームには良作が多い。そういえばサウンドノベルの名作『街』も、一番印象に残っているのはダンカンのシナリオだ。 夢を見るという行為は、ゲームで遊ぶことにちょっと似ている。今回取り上げるインディーズゲーム『TRAUMA』もそんな「夢ゲー」のひとつ。夢のあるじは、病院のベッドに横たわる一人の女性。交通事故に巻き込まれ、こんこんと眠る彼女は、その意識の奥底で4本の短い夢を見る。 巨大な岩の下敷きになったテディベア。廃工場を徘徊するぼんやりとした人影。どこかわからない深夜の道路。石畳の奥へと続く2本の線路――。 いずれも彼女にとってはゆかりのある光景のようだ。操作は『Googleストリートビュー』のような感じで、見たい場所、行きたい場所をクリックすることで、彼女は夢の中を歩