【鎌倉デイズ】Vol.11 真夜中の星空に祈る 2011.08.23 8月10日は、鎌倉市二階堂の杉本観音にお参りすると四万六千日分のお参りと同じだけのご利益があるという四万六千日の縁日だった。午前零時、ひっそりと静まりかえっていた真夜中の石段に点々とろうそくの炎がともされる。息を切らせながらその石段を上り、本堂の茅葺(かやぶ)き屋根を見上げると、杉木立の彼方には星空が広がっていた。 例年に比べると、この夏の鎌倉は少し寂しい。節電の影響は海辺にも及(およ)び、水中花火が呼び物の鎌倉花火大会は中止になった。だが、それなら自分たちで線香花火大会を開こうという声がツイッターからわき上がるという現象もあった。 闇の深さが一段と星を輝かせるように、できうれば失意の夏は、希望の存在を確認する季節でもあってほしい。 (撮影:写真報道局 渡辺照明/編集委員 宮田一雄/SANKEI EXPRESS)