大槌町吉里吉里(きりきり)の関谷徳夫さん(81)は11日、地域の方言をまとめた「吉里吉里語事典」の復刻版を出版する。同事典は2007年に自費出版したが、自宅で保管していた在庫が震災で流失。震災後発見された事典から、ボランティアらの協力で電子データ化し復元した。関谷さんは「地域の言葉を残したい」と思いを語る。 明治学院大社会学部の浅川達人教授の協力で、被災した同町上町の大槌小で見つかった1冊を基に再編集した。電子データ化には、同町で支援活動を行う同大の学生やボランティアらが協力した。 関谷さんは約10年かけて方言を収集した。念願の事典復刻に寄せる期待は大きい。「方言は地域の連帯の力になると思う。震災で地元を離れてしまった町民にも読んでもらいたい」と願う。 ハーベスト社(東京都)から出版。A5判549ページで4200円。同町ではシーサイドタウンマスト内の一頁(ページ)堂書店で販売する。問い合わ