古典力学を見通しよくするための方法に解析力学がある。解析力学では、変分問題の一つである最小作用の原理(ハミルトンの原理)を指導原理として要請する。変分とは何か、汎関数とは何か、一歩一歩考えながら、有限自由度の系に対して、最小作用の原理からオイラー・ラグランジュ方程式を導くことを本稿では目指す。 最小作用の原理 系の性質を決定づける量にラグランジアン$ L(q,\dot{q},t) $がある。ここで、$t$は時間変数とし、$ q = \left\{ q_i(t) \right\} (i=1,2・・・,N) $ は全ての力学変数をまとめて表している。$N$ は力学変数の個数であり自由度と呼ばれる。$\dot{q} = \left\{ \dot{q_i}(t) \right\} (i=1,2・・・,N) $ は、全ての力学変数の時間微分をまとめたものである。 ラグランジアンを時間で積分した量