日本発の製品が世界を席巻していたのは、遠い過去の話。日本の製造業は高い技術力を持ちつつも、グローバルで広く親しまれる製品を長い間生み出せずにいる。凋落の原因は「“問い”の立て方にある」と指摘するのは、アクセンチュアの河野真一郎氏。プロダクトを再発明――自社が提供しうる社会価値を再定義して、モノに具現化――を成し遂げ、再び世界の覇者となるには、どのような“問い”を立てればいいのだろうか。 制作 / 東洋経済ブランドスタジオ なぜ日本の製造業から世界的な製品が生まれなくなったのでしょうか。 河野端的に言うと、日本の製造業の強みが時代と合わなくなっているからです。日本が得意とするのは、製品の機能や品質の向上。つまり、既存のものの改善を重ねてさらによくすることです。しかし、この強みだけでは世界的な潮流である、情緒的価値に訴求した製品を生み出すことはできません。 今も昔も、顧客が購入するのはモノでは