夏は嫌いではない。けれど、冬ほど好きではない。 夏は馬鹿みたいに騒いで動きたくなるけれど、それ以上の日差しと眩しさにクラクラしてしまい、なんだか辛くなってしまうのだ。だが、夏の終わりの雰囲気は大好きだったりする。 弾けた後のゆっくり流れる空気は、以前に書いた「お祭りのあと、暗闇を歩くのが好きだ」って話に近いと思う。私の心の中は散らばっていたモノを拾い集める作業に追われていて、考えを整理しきれずにきっと秋を迎えるのだろう。 何日か前、どんな話からそうなったのかはよく覚えていないのだが、息子に「お母さん、無理心中だけはやめてよね」と言われた。 「するわけがない。私は死ぬまで生きていくつもりだし、キミ達の明日を私が選択するべきではない」 そう答えると、息子は「正しいと思う」とぽつりと言った。 こどもは語彙力がないため、思いの丈を伝えるのが困難なだけで、心は大人と同じ、またはそれ以上に複雑に動いて