「戦争は割に合わない、儲けはドルだが、損は人命で数えるから」というセリフがある。だが、戦争を「プロジェクト」として捉えたら、どのように"数える"ことができるか。 この問いに、本書は二つの読み方で応えている。一つは戦争に焦点をあて、これについて考える枠組みとして、経済理論を適用した読み。もう一つは、ミクロ・マクロ経済入門を説明するために、戦争をダシにした本として。どちらの側面からでも、「面白く」といったら不謹慎だから「興味深く」学ぶことができる。 戦争で失われた人命の価値をカウントするため、保険支払いのための人命価値計算を持ってくる。ご丁寧にインフレ補正のために消費者物価指数(CPI)まで用いているところがミソ。式はこうなる。 戦争時点の1人の人命価値 = 2000年の1人の人命価値×(戦争年のCPI/2000年のCPI) 「命に値段をつけるなんて!」と反応するのも結構だが、結構な値がついて
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