学生も企業も消耗する新卒一括採用 大学生の就活は、もうピークである。また、今春卒業予定の大学生は史上最悪の状況とも言われ、内定率は7割にも満たない。学生は企業がどういう人材を求めているのかわからないため、当てのない会社回りを何十社もやる。企業のほうは、就職サイトで何万人もの学生が応募してくるため、採用にかかるコストが膨大になる一方、本当に優秀な学生が埋もれてしまう。 その原因は、日本だけの新卒一括採用という雇用慣行にある。企業は新卒しか採らないため、学生は卒業までにどこかに潜り込まなければならない。企業のほうは、新卒で採らないと中途採用ではいい人材が採れないので、優秀な人材は早めに押さえたい。両者の利害が一致して、就活の時期が3年生に繰り上がる。 面接では学業成績は問われず、「コミュニケーション能力」や「バイタリティ」などの曖昧な印象で採用する。IT産業でも、大卒総合職ではテクノロジーの専
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