この時期、ノルウェーの首都オスロの高校では、毎夜大きな笑い声が響く。レヴィーという催し物は、オスロで育まれる高校文化で、高校生が社会や大人を皮肉る演劇だ。約2時間、音楽やダンスと共に、高校生が次々と笑いを題材としたネタを披露する。 このレヴィーの特徴は、高校生が社会風潮や大人の言動を、皮肉たっぷりに茶化すことにある。事実がベースとなっているので、会場からは笑いの渦がおこる。演劇のレベルが高いので、劇場関係者が将来の俳優をスカウトしようと目を光らせる時期でもある。 今年は複数のレヴィーを鑑賞しているのだが、どの高校でも、欧州の難民問題や、ノルウェーの政治家が必ず取り上げられている。特徴的なのが、国内では難民の波を懸念する声が高まる一方、若い高校生たちは、難民申請者の増加をそこまで恐れていないことだ。複数の高校でインタビューしたが、誰もが「ノルウェーはもっと受け入れてもいいと思う」と口を揃える