2019年3月25日、国立茨城大学は、軍事研究に対する基本方針を定めた。ここでは、「研究者の自主性・自律性を尊重した研究環境を整えるとともに、世界の平和、人類の福祉、ならびに自然環境の保全を脅かすことにつながる軍事研究は行わないこととします」と述べている。 大学における軍事研究に関する論争は、過去に何度も行われてきたが、今回の動きは、2015年に防衛装備庁が「安全保障技術研究推進制度」を創設し、防衛技術にも応用可能な民生技術の開発に係る研究助成公募を始めたことをきっかけにして起こった。日本学術会議は1年間議論し、2017年の春、軍事目的の研究を行わない従来の姿勢を継承する方針を固めた。ただし、軍事目的の研究の定義は依然としてあいまいだった。 軍事目的の研究は、第2次世界大戦ではさまざまな殺傷兵器の開発を中心に行われた。当時のような軍事目的の研究は禁止すべきであろうが、戦後でも1980年代後