中国の銀行や保険会社によるニューヨーク、香港市場での大型IPO(新規株式公開)は大々的に報道される。だが近年、別の類の中国企業が静かに国際資本市場を利用し始めている。派手なIPOには力も利益も不足している中国企業が、逆買収を通じて海外上場を果たす道を見いだしているのだ。 米国弱小企業を“逆買収” 仕組みはこうだ。中国企業が米国のダミー会社に買収される。その米企業は上場していることを除けば、ほとんど価値がない。その後、米国の経営陣は退陣して中国勢が取締役会を乗っ取り、社名を変更。ヘッジファンドなどに新株を発行し、数百万ドルの資金を調達するわけだ。例えばワクチンメーカーのシノバック・バイオテク(北京科興生物製品)は2003年に逆買収を行い、1200万ドルの資金を調達した。 今、多くの中国企業が逆買収をIPOより手っ取り早い手段と見なすようになった。アメリカン・ユニオン証券幹部のピーター・ツォウ