経済産業省は26日、2019年版不公正貿易報告書を発表し、韓国の自国造船業に対する補助金が市場の公平性をゆがめていると指摘した。優先的な取り組みとして、韓国に補助金の撤廃を要求するほか、世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続きの改革を訴える。韓国による日本産水産物の輸入禁止措置をWTOが容認した判断への不満が背景にある。 報告書は問題がある措置として19カ国・地域の150件を列挙した。うち今回新たに取り上げたのは、韓国と中国の造船業への補助金や、欧州連合(EU)の鉄鋼製品に対する緊急輸入制限(セーフガード)など10カ国・地域の13件。 経産省は補助金などの措置が市場や競争をゆがめる恐れを指摘したほか、米中貿易摩擦などに代表される貿易制限的な政策や対抗措置の応酬に懸念を表明。国際的なルールに沿って判断する必要性を強調した。