5月14日、土曜の午後2時30分(現地時間)。ニューヨーク州の北部、カナダとの国境に位置するバッファロー市のスーパーマーケットにて銃撃事件が起こり、10人が死亡、3人が負傷する大惨事となった。 犯人は白人至上主義者の18歳。死者の全員、負傷者のうちの1人が黒人だった。犯人は犯行の様子をライブストリーミングしており、SNSに出回った映像には、銃口を向けた相手が白人と気付くと「ソーリー」と謝り、銃を背けたシーンが含まれていた。 犯行の背景には、近年、人種差別主義者の間に広がった「リプレイスメント・セオリー replacement theory([人種民族の]置き換え理論)」がある。以下、事件の概要と置き換え理論について記す。いずれも5月16日時点の情報であり、以後さらに詳細が報じられると思われる。 ※以下、事件の内容に関する暴力的な記述があります。 銃口に「Nワード」 ニューヨーク州コンクリン